

森本雅之さんは大学卒業後、住宅会社を何社か転々とします。しかし、入社した住宅会社では、パターン化されたプランに部品を組み合わせるような住宅づくりを行い、森本さんは疑問を持ち始めます。
そんなとき、ホームテクト佐藤が人材募集をしていることを知り、入社したのが5年ほど前のこと。先代社長の息子さんと同級生だったこともあり、カラマツにこだわる工務店で1つ1ついい家を建てる会社だということは知っていました。
現在常務取締役となった森本さんは設計、現場、営業と1人で忙しい日々を送っています。

ホームテクト佐藤では、十数年前からカラマツ住宅に取り組んでいます。始めた頃は「カラマツはねじれる、暴れる」「カラマツの木目は好きじゃない」そんな否定的な反応が多かったのです。実は十数年前頃からカラマツの製材技術が進歩してきました。高温で乾燥させることにより、住宅建築用の材料として使えるメドが立ったのです。
また、カラマツ特有の木目や色合いに魅力を感じるお客さまも多いのです。ちょうどこの頃からシックハウス症候群の問題などが取りざたされ、天然素材を使った家づくりへの関心が徐々に高まった時期でした。
森本さんはカラマツ住宅の魅力を、「天然木の香り、肌合い、癒し」と表現します。この魅力を打ち出すために「真壁作り」にこだわります。これは室内の壁に柱が直接露出する工法です。壁材も天然素材原料の塗り壁などを多く用い、ナチュラルな空間を創ります。
真壁作りは昔ながらの作り方なのですが、高断熱・高気密に対応しづらいとして減っていました。新住協では、新在来木造構法を開発してこうした真壁作りの家でも高断熱・高気密構造にできることを立証しました。こうして、昔の懐かしい味わいを保ちながら、現代的な高性能な住宅が造れるようになったのです。
外壁も可能な限りカラマツの板張りにします。ただし、お客さまと話し合いながら2階をモルタル仕上げにするときもあります。
「板貼りはオススメなのですが、定期的に再塗装するメンテナンスが必要となります。2階は足場をかける必要があるので、お客様ご自身で塗られない場合は費用がかかります。お客様と話し合いながら、ご自身でメンテナンスが大変だなぁと感じられる場合は、1階だけ板貼りにして2階は手入れの必要が少ないモルタル仕上げにしています」と森本さん。


ホームテクト佐藤では、大工が収納棚などの家具類を造作します。材料の加工からすべて手作業です。また、室内のドアなどは長年つきあいのある建具屋さんに依頼して制作。
さらに、建築材料は今はやりのプレカット(工場加工)材を使わず、大工さんが土場と言われる作業場で墨付け、刻みといった昔ながらの大工仕事を行い、準備をします。木材の性質を知り尽くし、適材適所に材料を使うという「木を読む」作業をしているのです。それが大工の腕でもあります。
「プレカット材は機械的に加工するのでこうしたプロセスがありません。効率はいいかもしれませんが、できるだけ手づくりの味わいを残したい。大工の技能を残していくためにも必要だと思います」
そう考える森本さんは、先代社長の教えを守ってプレカット材は使いません。

家づくりは、お客様からの要望を工務店が受け止めるところからスタートします。しかし、お客様も自分の希望や要望をどう伝えていいかわからない場合もあります。そういうモヤモヤした感じや、もともと話すのが苦手、という方もいるので、森本さんは「始めて打ち合わせするときなどは特に世間話を良くします」と言います。
世間話というと、無駄話のように聞こえますが、森本さんにとってはそうではありません。何気ない話のなかから、お客様の日常生活の様子が読み取れることがあり、プラン作りの上で非常に参考になるそうです。
「良いプランが提案できると、その後の打ち合わせ回数が減りますし、プラン変更も少なくなります。最初の提案は重要だと思います」
今後、森本さんは今取り組んでいる家づくりを少しでも多くの方に広めたいと考えています。「無垢材を使う体にやさしい住宅は、ホームページの写真を見るだけでは良さが伝わりません。木の香り、肌触り、質感などは完成見学会などで見ていただくのが一番。現場公開などの情報は、ホームページ上で告知しますので、現物を是非見に来てください」と話していました。


